大切なもの…〜cherry tree〜
 


晴れた日の月は、
剛君が笑って見えるけど
雨の日の月は、
泣いていて泣き顔を見せないように
雲に隠れてるように見える。


だから、
雨の日が嫌いになった。


この事をケントに言うと、


「真奈をからかい過ぎて、
笑い泣きしとんねん。
たぶん、真奈を指差して
お腹をおさえて
足をばたつかせながら笑っとんやで」


ケントの言った言葉を剛君で想像すると、


腹が立つ。


雨の日の月は、
嫌いじゃなくなったけど、
ケントが言った通りの剛君が見え
苛立つようになった。


でも、
また喧嘩が出来るようになったと思うと、
嬉しくなった。
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