傷跡
『光輝?』
気付いたらベッドで俯せになりながら光輝はスースー寝息を立てていて。
子供みたいに丸まって眠る姿を見つめていると、なんだか愛おしくてたまらなくなった。
あたしは先に寝てしまった光輝の頬にそっとキスをすると、脱ぎっぱなしにしていたスーツのジャケットをいつものようにハンガーにかけようとした。
でもその時……
内ポケットにピンクの封筒らしきものが入っているのが見えた。
何?この感覚。
なんか今まで感じたことない嫌な勘がはたらいた。
なんなんだろコレ…。
私は少し躊躇いながらも、気付けば封筒を手にしていた。
封筒の表には“ダーリンへ”と書かれてあった。
変な寒気がした。
悪い予感…
そんな言葉がぴったりかもしれない。