最初で最後のキス〜短編
私は確かめるように何度も手を握った。
あんなに元気だった悠斗君は、今にも消えてしまいそうな命。
こんな体で、今も闘っている。
私は強く手を握りしめた。
「私も一緒にいる…一人じゃないから強くなれる。教えてくれたのはあなたでしょう?」
ぎゅっと目を瞑って悠斗君の手に顔を寄せる。
「目を覚まして……悠斗っ」
ピクッ
!?
今悠斗君の手、動いた…?
私は悠斗君の手をぎゅっと握りしめた。
「ゆう、と…?」
顔を覗き込み反応を見る。
少しだけ眉間にしわをよせる悠斗君。
そして………