世界を敵にまわしても


胡坐を掻いた上にCDを置く無口そうな人と、茶髪に金と黒の細いメッシュを入れた人。


それに、前に晴と下駄箱前に居た時に声を掛けたきた人が、あたしを見上げる。


「いきなりゴメンねー。俺ら、晴と同じ軽音部なんだけどさ。とりあえず座って座って、っても汚いか」


1人がそう言うと、座っていた3人が立ち上がった。


……一体、何だと言うんだろう。


「あーとりあえず、自己紹介しとく?」

「いらねーよお前らの紹介なんてっ!」

「晴、大人げない」


無口そうな人がそう言うと、晴はグッと唇を結んでからあたしに視線を移した。


「あー……何かさ、美月の話になって」

「連れてこーいって、俺らが無理に頼んだの! ワリィね!」

「はぁ……」


何であたしの話になったのかは知らないけど、そういう事ね。


でもそんな事より、晴がズカズカとあたしを連れて来るから背後から物凄く視線を感じるんだけど。


背中に感じる視線が居心地悪くて、腕をさすっていると「ヨッシー」と1 組の教室から女の子が顔を出した。

「何騒いで……え! 美月ちゃん居るけど!」

現れた女の子があたしの姿を確認すると、目を見開いて驚いたように言う。


その言葉に疑問を持ったけど、次々と教室から出てきた女の子たちに囲まれて、それどころじゃなくなった。


何、さっきから何なの!?



< 124 / 551 >

この作品をシェア

pagetop