Kissシリーズ・「義弟とのキス」
義弟は手を伸ばし、わたしの頭を撫でた。

いつもはわたしが義弟の頭を撫でていた。

けれど最近では嫌がられるので止めていたが、こうして撫でられるのも良いものだと思った。

しばらく義弟は無言でわたしの頭を撫でていた。

しかし手が止まり、わたしの頬へと移動する。

ギシッと耳元でベッドが軋む音が聞こえた。

そして―唇にキス、された。

「っ!?」

驚いて眼を開けると、間近に義弟の顔。

すぐに眼を閉じた。

このまま起きても、どう反応していいか分からなかったから。

しばらく唇は触れていた。

その間、身動き一つできなかった。

やがて義弟はゆっくりとわたしから離れて、部屋を出て行った。
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