レモンドロップス。
え?え?
頭が真っ白になって、何も考えられない。
「健にぃ・・・?」
「・・・しんどそうな顔すんなよ」
キュッ、健にぃはそう言いながら強く抱きしめた。
あったかい。
背中から伝わってくる健にぃの体温。
あたしの肩を抱く大きな手。
ほんとにあったかい。
だけど・・・。
「キャハハハハ!」
「ねえ、まじバカだよねぇ~!」
廊下の向こうから誰かのはしゃぎ声が聞こえた。
ふっと健にぃが離れる。
「健にぃ、あの・・・。」
なんて言ったらいいのか分からない。
言葉が出てこない。
「彩香、俺は・・・」
振り返ると健にぃは夕日に照らされて、顔を赤くしている。
「いつもお前の味方だから。」
そう言うと、笑顔だけを残して教室から出て行った。