レモンドロップス。

え?え?

頭が真っ白になって、何も考えられない。


「健にぃ・・・?」

「・・・しんどそうな顔すんなよ」


キュッ、健にぃはそう言いながら強く抱きしめた。



あったかい。

背中から伝わってくる健にぃの体温。

あたしの肩を抱く大きな手。


ほんとにあったかい。


だけど・・・。



「キャハハハハ!」

「ねえ、まじバカだよねぇ~!」


廊下の向こうから誰かのはしゃぎ声が聞こえた。



ふっと健にぃが離れる。


「健にぃ、あの・・・。」

なんて言ったらいいのか分からない。

言葉が出てこない。



「彩香、俺は・・・」

振り返ると健にぃは夕日に照らされて、顔を赤くしている。


「いつもお前の味方だから。」


そう言うと、笑顔だけを残して教室から出て行った。

< 111 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop