ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「おっ来たな!」


サマーがニコニコしながら
玄関の方へ歩き出した。

入り口の扉が開き、
子供たちがワーと入ってきた。

俺は一瞬「靴っ靴っ」
と叫びそうになったが、

母親のジュリーも土足で
ズカズカ入ってきた。


「オー・マイ・ガッ!」


やはり靴を脱ぐ習慣が
ないのでしょうがない。

「文化の違い」と自分に言い聞かせた。

子供たちは最初は元気
良かったが、ジュリーが帰ると
「この人だ~れ?」という
顔をして俺を見ていた。

お好み焼きを見せ


「ジャパニーズ・ピッツァ食べる?」


と聞くと不思議そうな顔をしていた。

サマーは子供たちに「食べる?」
聞いていたが、食べないみたいだ。

そのあとサマーは子供たちに


「ドライブに行きたい人?」


保母さんのように聞くと
子供たちは大声で


「Yeah!」


と叫んだ。


閑散とした部屋がまるで
セサミストリートの様に変貌した。

早速みんなで車に乗り込みキュランダ
までドライブをすることにした。

キュランダまでは山道を通るので子供たちが
気持ち悪くならないか心配した。

しかしそんな心配は無用でサマーは
末っ子のタイの質問攻めにあっていた。


「その人オーストラリアの人?」


「ジャパン?」


「オーストラリアにあるのそれ?」


「なんで髪の毛長いの?」


サマーは質問に一つ一つ
やさしく答えていた。


「サマーにもこんな面があったのか・・・」


いつもサマーには俺がララバイ
をしてあげていたので
その日はサマーが大人に見えた。
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