ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
エピソード5:ケアンズ上陸
オーストラリア時間5:00AM。


あと30分ぐらいでケアンズに到着すると、アナウンスが入った。

ケアンズは日本との時差は一時間しかなく、搭乗時間は成田から7時間なので日本人には人気があるようだ。

今は10月だが季節は春になる。

オーストラリアは赤道の下になるので季節は日本の反対になる。


「いよいよかー。どんな所かな?海はきれいなんだろうなー」


飛行機は思ったよりも快適でさほど怖くもなかった。

電気イスのじいさんに”たっしゃでな~”と別れを告げ、

税関を通り到着ロビーに着くと義姉夫婦が待っていてくれた。

俺は小声で「どうも・・・」と、会釈した。

当時、家族とロクに口も利かず音楽だけを愛していた俺は人嫌いで挨拶もロクに出来ないガキだった。

家族とロクに口を利かないのに今まで親と一緒に住み迷惑ばかり掛けてきた甘えたガキだった。

義姉夫婦が出迎えてくれているのに”しばらく宜しくお願いします”すら言えなかった。

空港では地元のオージーや日本人ツアーガイドなどが所狭しと客人の到着を待っている。

面白いことに待っている人が来るとオージーはみなハグをして再会を喜んでいるが、日本人はお互いに何度も頭を下げている。


「電気イスのじいさんがハグしてたら面白いのにな~」


探す様に辺りをきょろきょろしているとゲートから一人の日本人が出てきた。

どう見ても観光客らしい服装ではない。それに無精ひげを生やし、
手には人一人が入れそうな大きいズダ袋を背負って、
誰の出迎えもなくインフォメーションセンターに直行して行った。

なにやら寝床を探しているのか、受付の女の人がこの宿は何ドルだとその男に話しているようだ。


「そうか、これがワーホリか!」


本来、俺も同じ身分のはずだが、一週間は親とホテル、その後は寝床が見つかる間、新婚の家に居候。

なんだか申し訳ない気持ちが急に襲ってきて俺は一人、外の空気を吸いにいった。

するとまだ7時過ぎだというのに日がさんさんと出ている。

しかもかなり日差しが強い。

東京のどんよりした天気とは大違いだ。

またブロンドヘアーの人がサングラスをかけて颯爽と歩いている姿が強い日差しとマッチしている。

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