ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
しかし立つのがおっくなのか手を
ピーんと伸ばし、爪の先でなんとか
風の向きを変えている。

エアコンの風がオバサンの手を通って
腕を通って最後に脇を通った瞬間


「なんなんだこのビターな香りは!」


俺はサマーと目が合いサマーも同じことを
思っていることを確信した。

2人ともこのビターなオバサンと7時間も
一緒にいなくてはならない事に絶望した。


「このビターちゃん、
なんとかなんないかね?」


「バスの運ちゃんに言って
席変えてもらえないかね?」


俺はサマーにしつこく相談したが逆に
サマーにこう切り替えされてしまった。


「君だってサワーちゃんじゃん」


「サワー?すっぱいって事?
・・・ハッハッハッハー」


俺は思わず笑ってしまった。


「向こうがビターちゃんなら
俺はサワーちゃんか
・・・イイねーそれっ!」


「俺そんなにすっぱい?
なに、都こんぶみたい?」


「???」


サマーはどういう意味かわからず
きょとんとしていたが、
サマーの意外な発言に気持ちが
楽になった俺は気にするのを止めた。

それに寝てしまえばそんなオイニーは
気にならないはずだ。

いつもの様にウォークマンをし、
目をつぶって音楽に集中した。

しかしどれ位経ったであろうか?

イイ気持ちで寝ていたが片面20分の
スティーリーダンのテープが終わり
無音状態のまましばらくした時だった。


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