ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
ブレットは俺達をリビングから少し歩いた所へ案内すると


「ここが君の部屋・・・どう?」


日本では兄貴と同じ部屋だった俺には十分な広さだった。

実家で親と一緒に働いている兄貴はやっと部屋を一人で
使えると思っているに違いないと、ふと考えた。


「もう少し安くなる?」


義兄が新聞では$85だったが俺の為にディスカウントしてくれている。


「OK $80でどう?」


義兄は少し安くしたぞ!という顔で俺を見た。

俺はすぐにでも引っ越したいと思った。とにかくあの恐ろしく暇な時間が苦痛だった。


「ここに来れば何か変わるだろう・・・」


俺は即答するつもりだったが義兄は


「じゃーまた後で電話する」


と言ったので俺も車に乗り込んだ。


「どうだった?」


「ここでイイっす。」


「結構いいやつそうだし、いいんじゃない。」


帰ってからもう一度電話してもらった。

ブレットはいつ来ても良いということだった。

しかし俺は肝心なことを忘れていた。俺には足が無かったのだ。


「街まで行くバスはあるのかな?」


すると義姉が何かを思い出したかのように


「言うの忘れていたけど知り合いが自転車譲ってくれるから大丈夫。」


「ホント!」


すると次の日、義姉がマウンテンバイクを$50で譲って来てもらっていた。

5000円じゃ安すぎるぐらい良いブツだった。

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