ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「停電か・・・」


「やだも~」


ミキはオカマの様な言い方で嘆いていた。

なにやらロブは真っ暗の中、キッチンにある引き出しや戸をゴソゴソと探し始めた。

ミックも率先して手伝っている。


「ローソクか何かを探しているんだな」


2人は真っ暗の中ローソクかどこか一つ一つ手探りで探している。


「どうだっ!これでスティービーワンダーの気持ちが分かったか!」


「女を抱く時だってこんな厳しい状況でプレイしなければならないんだぞ!」


俺は心の中で2人に言い聞かせていたが、

俺とてワンダーの気持ちなど分かる由もなく・・・

それどころか率先して探している2人に比べ俺は手伝いもせず、
ロクでもない事を考えていて最低だ!


「あった!」


ロブがローソクを見つけた!

ローソクに火を付けると、これまたなんとも良い雰囲気だ。

真っ暗で見えなかったみんなの顔がローソクの灯火で薄っすらと見えてきた。


「いいねっ、いいねっ」


「これでシャーデーのCDでもかけたらパーフェクトなんだけどな~」


「あっ、停電だから無理か・・・」


俺はどうも昔からいつもと違う景色や、シチュエーションの中にいると


「このシチュエーションにはこの曲が合う」とか「この風景にはこの曲しかない!」


と、自分の頭にあるジュークボックスから
瞬時にそのシチュエーションにマッチした曲を
自動的に選曲するようになっている。

例えば街を歩いていて、ふと綺麗な夕日に出会うと

「ティアーズ・フォー・フィアーズのシャウト」
が頭の中で流れ出す。

ビルがそびえ立つ都会の夜には「ケニーG」

色々なシチュエーションに合った曲が

俺の頭の中のジュークボックスから厳選されて流れてくる。

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