大好きが溢れるまで

March



中学1年、3月。


1年生でいられるのも、このクラスであるのも、残り1ヶ月。
梨香に本音を言われてから1ヶ月が経った今。
私は飯田を諦めようと必死に頭から心から消そうとした。
だけど…同じ教室、同じ空間にいる以上、それは消せなかった。
先週に席替えしたら、飯田とは席が離れちゃった。
梨香も近いって訳でもなかったから、少し安心した自分。
だけど、飯田と席が離れた以上、やっぱり話す事は少なくなった。
そんな時、私に絶好のチャンスがやってきたんだ。


「ねぇ、1年最後に学校外で思い出つくんない?」


そう言ったのは私だけど、誰も拒むことなく決定した。
行くのは女子2人、男子3人の5人。その中に飯田が含まれていた。
飯田と休日に会える、それだけで私は密かに喜んでた。
梨香に遠慮とか、そんなの全然考えないでいた。
それが余計梨香との距離を生んだのかな…?
梨香は、中学校最初に話し掛けた友達だったのにね。



思い出つくる場所は、遊園地。あと2週間後。
定番だけど、絶叫マシーン好きの私はテンション上がりっぱなし。
当日の待ち合わせ場所、時間などを決めるために5人の内の1人、中根と電話した。


「待ち合わせどーする?」


「ん、公園に8時集合!」


待ち合わせを決める以外にも、色々話したりした。
飯田と話さなくなった分、小学校が一緒だった中根と話すようになった。
急に中根と頻繁に話すようになったのは、きっとみんなも気付いてた。
だけど、好きなの?とか聞いてくる人はいなかった。


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