恋の相手はメイド君!?
「…でも、付き合ってるから」


「付き合ってたら、直ぐにやらしてええの?」


「それは……」



そんなのわからないよ。


初めて恋をして。


初めて片想いして。


初めて付き合って。


何もかも初めてで、いっぱいいっぱいだったんだから。


「…わからへんよ」


「わからんなら、やらせたらあかん。

自分がホンマにええと思ってたからやないと、そのままズルズル行ってまうんや」


「ズルズル行く前に、終わってもたけどね」


「なら、欄さんはアホやな」



そりゃ、アホかもしれないけど。
そこまで、ハッキリ言うことなくない?



あたしはあたしで、悩んだをだもん。


「千尋には、関係っ…」
「もっと、大事にしぃ」


「…………え?」



言い返そうと千尋に顔を向けた時。

千尋の大きな手に、ふわりと頬が包まれた。


ピタリと動きをふうじられて、あたしはマジマジと千尋を見ている。



「自分を大事にしたらな、傷つくんは欄さんや。

女の子は弱いから、男には勝てへん。
やから、意思を示さな男は頭に乗ってまうよ」


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