素直に
第30章
     30
 十二月の初旬は寒さが続く。


 ここ秋光大もキャンパスにチラホラとしか人間がいなかった。


 学生もさすがに寒い時季はアパートやマンションから出てこないのだ。


 僕も慧子も最低限必要な授業には出席していた。


 さすがに教養科目は単位を取り終わっていたので、必須科目だけとなっている。


 僕たちは毎日上原研究室に通いながら、昼は学食で食事をし、午後三時には学内の例のカフェでお茶を飲んでいた。


 僕もさすがに疲労感がある。


 自律神経がおかしいということは生活が乱れているのが原因であると聞いていた。


 僕自身、生活スタイルを考えながら、確かに無理していることに気付く。


 夜は夜で最近、結構遅くまで資料を読み込んだりしている。


 日付が変わった後、遅い時間帯に眠り、朝は早く起き出す。


 朝起きたとき、体の中心部に鉛が入っているような感じがした。
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