素直に
第4章
    4
 炒め物を一品ずつに、ご飯を茶碗一杯、それに豆腐とタマネギを具に使った味噌汁をテーブルに並べる。


 僕はテーブルを布巾でいったん拭いていたので、料理が並ぶと、食卓が賑やかになるのだ。


 慧子が、


「あたしもお腹空いてたの」


 と言ったので、僕が、


「今から食べようよ」


 と返す。


「いただきます」と言った後、僕たちは食事を取り始めた。


 秋の夕方で幾分冷え込む。


 僕が炒め物を突きながらご飯を食べていると、慧子が、


「料理上手ね」

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