素直に
第13章
     13
「何なんですか?」と言って、僕は絡み付いてくる佳久子を振り切ろうとした。


 だが、佳久子は手を伸ばしてくる。


 僕はかなり戸惑った。


 大学の教員で、聖職に就いているはずの准教授が一男子生徒相手にその手の行為をし始めるのだから……。


 僕は無理やり絡まされた。


「レッスンするわよ」


 佳久子はそう言い、無抵抗の僕を誑(たぶら)かす。


 僕にも確かに男子大学生なりに、一定量の性欲はある。


 だが、こういった展開はまさに予想外だった。  


 目の前にいるアラフォー女性は明らかに僕を弄(もてあそ)んでいる。


 佳久子は穿いていたスカートを下ろした。


 付けている香水の香りとアンモニア臭が混じって漂ってくる。
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