もしも私がブスだったら。
「やっぱ、なんでもない。今日はもう帰るね。また明日来るから・・・」


「うん・・・」


「じゃあ、俺も帰る。じゃあまたね、春香」


「え・・・あ、はい」


私が敬語で答えると彼は悲しい顔をした。

二人が帰った後、お母さんに聞いた。


「ねぇお母さん、あの男の人誰?」




「・・・・そのうち分かるわよ。じゃあ、お母さん先生と話してくるから。」


と言いお母さんは病室を出た。


あの男の人、どっかで見たことがある・・・


あの声、あの顔、ものすごく懐かしい感じがした。



私は、そんな事を考えながら深い眠りについた。



朝になると、看護婦さんが私を起こしてくれて着替えまでさせてもらった。

< 82 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop