真夏の白昼夢

昨日の夜遅く、私は家に帰ろうとしていた。


そこで私は見たんだ。


女子小学生が車に轢かれそうになっているところを。


「危ない…!」


助けようとか、考えられなかった。身体が勝手に動いていた。



結果。


私は小学生を助けられなかった。

上に。


自分まで死んでしまった。





「…あはは…私は透明人間じゃなかったんだ」

「……」

「幽霊…か」


それなら石倉くんに私が見えたのも納得する。

お寺の息子なのだ。

幽霊が見えたって不思議じゃない。




「いつから…気づいてたの?」

「なにが」

「私が幽霊だってことに」


「メールが来たときあっただろ」

「メルマガだったんだよね?」

「いや、学校からだった。音川和歌子が交通事故にあったってね」


…そんなメールだったんだ。石倉くんのポーカーフェースはんぱないよ。
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