Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜
「おはよう!佳菜!」


後から声をかけてきたのは、確か中学で佳菜と仲が良かった美咲ちゃんだ。


「おはよう!三咲。
陽ちゃん、私美咲と行くね!」


そんなふたりの後姿を見送った。


「フラれちゃったな〜。」


俺の肩に手を廻し残念そうに俺の顔を見る。


いかにも秀才面のこいつは・・・、そう俺の親友信二だ。


「朝っぱらからキモいんだよ。」


手を振り払うと騒ぐ信二を置いて歩きだす。


「あ〜ん、陽ちゃん冷たい〜。」


わざとクネクネしながら信二が追い掛けて来る。



これが僕たちのいつもの日常だった。


当たり前の様に僕の隣には佳菜がいて、今までもこうやって一緒に歩いてきた。


これからもきっとそうなんだと、この時の僕は信じて止まなかった。


それなのに、何の予告もなくあの日はやってきた。
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