イケメン学園~秘密の甘い恋~
部屋で少し休み、夕ご飯の用意をした。
そして、全員が揃って食べ始めた。
「そうそう、もう少しで父母参観だよね。」
楓先輩が思い出したかのように言う。
「ったく、コンクールもあって大変だっていうのに。」
潤先輩が愚痴をこぼす。
「あの・・・父母参観って?」
「あぁ。父母参観っていうのはね、父親と母親がこの学園に来て、親子でいろいろと楽しむっていう毎年恒例のイベント。」
「そうなんですか・・・。みなさんの家族は来られるんですか?」
「ここの寮の家族は全員来るよ。寮生活してるくらいだから、親も心配してるし。それに、父母のどっちか1人だけでもいいらしいし、親としては楽なんじゃないかな?」
楓先輩が1番にそう答えた。
「俺は、葵も来るらしいが。」
潤先輩が声を低くして言った。
その話題でいろいろと盛り上がる。
でも、あたしは不安がよぎるばかりだった。
だって、あたしには・・・
父親も母親もいないから。