疵痕(きずあと)
それでも鏑木の心遣いは正直嬉しかったわけで……
「なにがあったんだ? ウシッ」
「婦女暴行でなかったのが何よりです。泣き寝入りはしませんよ、と。アイテッ」
俺はショックで麻痺していた痛覚が戻ってきたのがうれしかった。
右足切断にならなくってよかったーと、のんきに思っていた。
「婦女暴行って。まさか」
ぬぼーっとした口調で最悪の想像を語ってくれるジョー。
そんなことはないよ。そんなことはない。