Love Slave
エレベーターを降りて、長い渡り廊下をがに股で歩く。それにしても、重い。これだけで筋肉がついてしまいそうだ。


前は横半分ぐらいしか見えない。亀のようにゆっくりと歩くが、この速度だといつ目的地に着くか分からない。


「急がないと・・・・あっ!!」


ザザーッと書類がドミノ倒しみたいに流れていく。廊下中に散らばってしまった。


「やってもうた・・・・」


がっくりと自分のドジッぷりに落胆する。急いで拾うが、書類がぐしゃぐしゃになってしまう。このままだと、後で会長になんて言われるか、想像するだけでゾクッとする。


「大丈夫?」


声を掛けてきたのは副会長だった。
すぐに拾うのを手伝ってくれた。私よりも数段早い。すぐに終わった。


「はい、これで全部だね」


すると、副会長は大量の書類を軽々と持ち上げた。


「すみません、そんな全部は大変だし、半分持って・・・・」


「いいの!レディがこんな重たいもの持ってるなんて放っておけないし、ましてや可憐なウェイトレスなんて・・・・」


ハッと今さらながら気づいた。今日はウェイトレスの衣装を着させられていることを。メイド服よりかはマシとは思うけど、やっぱり恥ずかしい。


「・・・ごめんなさい、変ですよね?」


「何で謝るの?可愛いし、萌だね~」


副会長に言われると、何だか嬉しい。会長とは180度違う。


「はーい、今日も一日張り切って仕事するよ!!」


いつも優しい副会長。
その姿を見て、私はふいに、


「副会長の奴隷だったらよかったのにな」


とか思ったりして。

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