Love Slave
すごいな、自分で曲を作れるなんて。しかも楽譜を見ずに吹いてた。いわゆる、絶対音感持ちらしい。
音楽の才能がある人なんだな。


情報によると、等々力先輩は世界的フルート奏者だって・・・・。


ずるっ バサバサバサ!!


「あーっ!」


そうだ、忘れてた。私、この資料を会議室に持って行くんだった。庭に大量の資料がばらまく。汚したりしたら、会長から大目玉を喰らってしまう。
考えるだけでも背筋が凍る。


「それ、今度の議会で使うものですね」


「は、はい~。す、すみません!すぐ片付けますので・・・・」


「いつもテンパリますね、早乙女さんは」


フルートの音色や曲はいいけど、その毒吐きはどうも気に食わない。素敵な音と毒吐きが一致しない。


「はい、これで全部ですね」


「ありがとうございます!」


等々力先輩が総てまとめて、私に手渡ししてくれた。


ちょうど、一番上の資料が等々力先輩のサインがしてあるものだった。


「ん?」と思った。


今までずっと気付かなかったこと、それは等々力先輩の生年月日。


「あの先輩・・・・。先輩の年齢が『14歳』になってますけど・・・」


どう考えても、私よりも2歳年下。14歳では中学2年生じゃないか。とんでもない印字ミスだな。


しかし、等々力先輩は「え?」と目を丸くした。


「言ってませんでしたっけ?僕は3年飛び級して、進学コースの特別枠に入ってるんです」


「ええっ!?」


生徒会に入って約半年、新事実が発覚した。顔は幼いし、言葉遣いも丁寧だなとは思ってたけど・・・・。


飛び級って日本ではあまり例のないことだけど、『生徒会優遇制度』としては普通の事らしい。
・・・・知らなかった私も悪いけど。
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