ボクがキミをスキな理由【短編集】


そこまで言うと
太一と拓海は絶句したまま
俺を見つめる。



そらそうやろうな


俺は今まで“見聞を広げたいから”って理由と“オーナーになりたいから”っていう理由しかこいつらには話したことがないんやから。




……不思議やな




今までアイツの話は
誰にもしたこともなければ
しようと思ったこともないのに



フッと口火を切ったように現れた
真実の言葉




これが……
アイツを思い出に変えられた
っていう、証明になるんなかなぁ。




俺はそんなことを考えながら



「今まで誰にも言わへんかったけど……今やったら話せるわ。
聞いてくれるか?俺の話……」



太一と拓海に
語り始めた――……



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