ボクがキミをスキな理由【短編集】
なんかよく聞こえへんかったけど…
太一が何か嫌なことを呟いたことだけはよくわかった。
ムカツク!!
俺の初恋を汚しやがって!!
でも…
まぁ太一の言いたいこともわからんでもない。
だってそーやろ??
普通、健全な24歳のオンナは
15歳のオトコなんて
相手はせぇへんやろ。
まー、そういう意味では
アンナは相当変わり者やったと思う。
俺が送ったメールには
いやな顔せず相手をしてくれたし
俺がかけた電話も
嫌がらずに取ってくれた
しかも俺が好きやと真剣に言うと
『奇遇だね、私も好きだよ。』
俺に期待を持たせるような
甘い言葉を返してくれる。
人が聞いたら
俺は“遊ばれてた”ってことになるんやろうな。
イイオンナにいいように遊ばれた
かわいそうなオトコ
冷静に見れば
そういうポジションに
俺は分類されるんやろうけど
残念なことに
俺はアンナと自分の関係をそんな風に思ったことはないし、悔やんだり、後悔したりしたことすらない。