汝、風を斬れ
「ロビン……」
「姫様、申し訳ございませんでした。私の作った薬や、装置や……大変怖い思いをなさったでしょう」
「いいえ……もう済んだことです。それよりもこれからも国の発展のために、力添えを願いますよ」
「はい、ありがとうございます」
 ジンがロビンを小突く。言わなければならないことは。

「?」
 きょとんとしたキュアに、ロビンは説明した。
「洗脳剤にはまだ、解毒する薬がありません。でも、方法はあるのです。だから、セント・ソーザのも解ければ良いのですが」
「どういうことですか?」

「古い時代からの魔法の解き方」
 ロビンは恥ずかしそうに言葉を探す。その様子を見ているだけで、キュアには彼の言いたいことが解った。眠りから覚まし、獣から姿を戻す方法。幼い日々に読んだ絵本の結末。愛ゆえの口づけ。
「そう……」

キュアはそっと、セントの消えた方に目をやった。
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