小さな恋の話

6月2日



その日は
6月に入って2日目で
暑い日だった気がする






3限目の体育は
ソフトボールでさ






あたしは
携帯を握りながら

その日の最高気温に
うんざりして

井上たちからの
目線にうんざりして

湯浅君に話しかけられない
自分にうんざりして

ボールがバットにあたらない
自分を想像して
うんざりして






なんかもう
全部どうでもよかった






「ねえ、どうしたの?」



花田があたしの
顔を覗きこむ






ぼーっとしてたみたい






花田はあたしのことを
下の名前でよんだ






あたしにも
そうして欲しいと言った






でもあたしは嫌だった






踏み込むのが怖かった



これ以上
あたしの中に
踏み込まれるのも怖かった





孤独なあたしには
花田だけが救いだったから



失いたくなかった






この距離が心地よかった






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