小さな恋の話

6月



あんたと付き合って変わったこと







部活のあと
待ち合わせして帰るようになったこと



お弁当を一緒に食べるようになったこと




あたしがあんたを
陸って呼ぶようになったこと






あとはたいして変わんなかった






一緒に帰っても
30分程度話しておわりとかね






キスはおろか
手すら繋がなかった






正直あたしは
陸と自分が手を繋ぐなんて
想像できないし


キスなんてもっと
ありえない






そもそも
好きでもない男と
付き合うあたしって
人間としてどうなんだ?






「どうした??帰ろ」






今日もあたしたちは
部活帰りに2人で帰っていた






別になんもないけどさ





ないわけ??



手繋ごうよ



とかさ







期待してるわけじゃないんだよ?






いや
恋人とはこんなもの
なのだろうかって
思っちゃうじゃん






あたしは
いますぐその言葉を
吐き出したかったが
飲み込んだ






やっぱり言いづらいしね






なんかあたしが
急かしてるようでやだし







あたしは黙って陸の隣を歩きはじめた
< 17 / 17 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

星屑のうた
つぶみ/著

総文字数/1

ファンタジー1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop