俺様のお姫様
へーーー、人気者なんですね。


まぁ知ってますが。


というか教えてもらいましたが。


「神宮寺先輩か、あれ。」


奈々姫も覗いてきた。


「そうみたいだね。」


パクリと最後の一口をほおばる。


幸せ。


「暑いのに御苦労様。」

「だね。」


どうやら先輩のクラスは体育のようだ。


チャイムが鳴る。


「やっば!陽夜!早く!」


奈々姫はチャイムが聞こえると足早に教室に向かう。


けど私は神宮寺先輩に釘づけになっていた。


どうしてだろう。


なんか、先輩がすこぶる迷惑そうに見える。


私は無意識にドアを開けた。


そこから一気にむわっとした空気が入り込む。


「うっわ…暑っ。」

そう言いながらも体を外に出して下を覗き込んだ。


「神宮寺先輩、タオル、使ってください!」

「いいえ、私のを使ってください!」


なるほど。


「陽夜!早く!」


少し行ったところで奈々姫がせかす。


「先輩!」
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