君を抱きしめるから~光、たずさえて~

かっちゃんからあなたへ



 あれから数年後、ボク達は中学生になった。


 なっちゃんは一つ早く進級していたけれども、子供の頃と関係はそう変わらない。



「起きたらお気に入りのステゴザウルスがいないの!」


 携帯のむこうで鼻息を荒くしているのはなっちゃん。大丈夫、竜野勝義(たつの かつよし、ってよんでね)、ボクは辛抱強い方だから。



「だっこして寝たのにジェフがくわえていっちゃったのかも、前みたいに」



「わかった。今からそっちへ行くから」


 パニックになりかけてイライラしている楯野奈津実(当然、なっちゃんのことだよ。たての なつみってよんでね)


 まあ、なっちゃんは、なっちゃんだよね。


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