~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
第九章 断罪の剣と王子のおとない
 王子は唐突に切り出した。


「わかったことが一つあるんだ」


 いったいなにごとかという目で王子の歩みを見守りながら、リッキーはおさえていたドアを閉めた。


「君もそうなのだろうだから、話すのだが、これを見てくれ」


 リッキーはその額の青い印を見てとり、人払いを頼んだ。


「これは心が反転する呪いだ。どうして気が付かなかったと悔やまれるが、いったいだれがこんなことをしたと思う?」


 リッキーには心当たりもなければ、思い当たる出来事も全くなかった。王子は一人、力説する。
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