~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
王子はそういったはずだ。
王子が尽きだした紙には誓約書とあった。
断じて結婚を誓う書面ではなかったはずだ。
彼女は真っ向から全力で受けあった。
『一生王子の花乙女として傍らにおります』
と……
王子は王にそれを突きつけて、正式にリッキーを自分のものにしてしまった。
リッキーがそれに気づいたときには、花嫁衣装がすでに用意されてしまっていた。かつては王妃も身につけたものだという。