~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
「私たちはいつまでこうしていられるでしょうか」
昼なお暗い森の中、ぼうっと灯る二つの魂は二人の若者の戻る場所を示す灯火のよう。
「わたくしが弱りさえしていなければ……」
「私こそ」
「わたくしこそ……」
などと保護者達が言い合っているときに、二人は最初の門にたどり着いていた。
大きくて間広い扉。
黒く湿気を帯びていて、つんとした香りがした。
ここはウロボロスの口の中。泉の水と一緒に流れ着いた。
「押せというのか、開けごまか」
試したが、どちらも違うようだ。