~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
「おまえは少し、手癖が悪い」
ごそごそ、と主は取り出す。
大きな翡翠の勾玉、エメラルドの首飾り、ペリドットの指輪……などなど。
「あ」
マグヌムは驚いたが、王子らも驚いた。皆、マグヌムが着ていたモンクス長衣のポケットから出てきたのだ。
「緑の回廊で見かけたコレクションのうちのいくつかが、欠けていた……あれはもしかして彼が?」
「もしかせずとも、そうであろう、マグヌム。愛しき化け物よ」
「か、返す言葉もござりません」