Little Princess


「…ずっと一緒にいたんだものね。」




…そうだよ。

俺たちはずっと一緒にいた。



そして、これからも、俺は美奈と未来を歩いていくんだ。



「…美奈ちゃんと恋人になれた時。

慎治すごく嬉しそうだったものね。」



どこか淋しそうに。

けれども温かいものを思い出すような表情をしている母さんを見ると、なんとも言えないぐらい胸が苦しくなる。



――この感覚、知ってる。


とてつもない絶望感に襲われた時のような…そんな感じ。



「…だからこそ、本当に悲しかったんでしょうね。」

『えっ…??』



まるで“思い出せないの”というように俺をジッと見つめる母さんを見て、ある予感を感じる。



――なんだか、胸騒ぎがする。



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