“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
バシャバシャ降る雨を、図書室の窓から恨みがましく見上げるあたしに、


「じゃあ、今日は。
帰りも一緒に勉強できるね」


隣の席で数学の問題を解いていた長谷川くんが、ニコッと甘い笑顔を見せてから、苦笑する。


「嬉しいような・・・。
悲しいような・・・」


数学の教科書を指でトントンと叩いて、


「遥ちゃん。
ある意味“天才”だもんなぁ」


苦笑いを深めて、


「よくうちの高校受かったね」


嫌味とも本音とも受け取れるような声色で、あたしの顔をのぞきこんだ。
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