“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
“だから、凌。
その手を離せよ”

理性の声は、もっともで。


“急ぐなよ。
おまえの大切な遥だろ?”

それを言われたら・・・。


“・・・そう・・だな・・・”

理性の声に従わざるをえなくて。


“チッ・・・。
だからおまえは“へタレ”だって言われるんだよ”

本能の声を無視して、オレは遥から手を離した。



・・・それなのに。


オレが腕を緩めた瞬間。


体ごとくるりと後ろを向いた遥が、オレのポロシャツの胸の辺りをちょこっとつまんで、


「・・・キス・・・して?」


おねだりするようにオレを見上げてから、恥ずかしそうにうつむいた。

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