~天へ送る風~
第七章 邪眼の娘と狼男
―邪眼の娘と狼男―


 サフィール王子はアレキサンドラの肩に腕を回し、手の甲をつねりあげられたが懲りるようすはない。


「まあきけ」
 とまた。

 しかし今度はヒソヒソ声で、


「君の母君は予言した。宰相は被害者だと。彼女は星の運行をはっきり見定めていたからだ。それでも証拠には足らないか?」
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