~天へ送る風~
「なにしろ穢れた泉の泡と一体化していたからな。参ったまいった」
リリアは暖炉を暖めて五人を招き入れはした。
そして素早く戸を閉めてしまうと、つかつかと娘に近づきその頬をひっぱたいた。
「お母……さん?」
「ひどいことをしたでしょう。寒空の下、王子をひきまわして、大変なことをした。おまえは幼い頃から心配ばかりかけて」
アレキサンドラは大きく目を見開いて、
「心……配なんて、してくれていたんだ」
ぽつ、と言ってアレキサンドラは澄んだ涙をこぼした。