森のクマ野郎

ちゃんとしなさい



もちろん向こうに着くなりおばさんにお説教。説教される私の姿に食事中のあいつは満足げだった。

「ちっ…」

「舌打ちするんじゃありません!!なんて下品な子なの!?」

「ひゃっ!すいません!」



お説教が終わったあとあいつが食べ終わるまでに別室で自分の夕食を食べ終える。
すっごく美味しいはずなのに、もしも先にあいつが食べ終わっててまたおばさんに怒られたらってことを考えると味わってなんていられなかった。



ダッシュでダイニングに戻るとちょうどあいつは食べ終えたところみたいだった。

最初のお説教さえなければ余裕は十分ある!明日から少しでも料理を味わおう!


彼が食事の間は私やおざさんじゃない別のメイドが彼のちょっとしたお手伝いをしている。
あれがプロと金持ち……、とても自然でとても絵になる。



「よし、行く。」

メイドさんに口元を拭いてもらって部屋に戻るっぽい。





「おばさん…」
「私のことをおばさんと呼ぶんじゃりません」

「リーダー、ちなみに明日の朝ご飯の時間は?」

「リーダーもやめてちょうだい。やっぱり聞いてなかったようね小娘。7時ちょうど、10分前集合よ。リチャード様はいつも6時30分起床、だからそれより早くも遅くも起こしてはなりません。もちろん貴女は2時間前の起床ね。」


あいつのあの憎すぎる満足げな顔を見たくないから私は今から精一杯に失敗しないように努力することにしよう。

メイドさんに椅子を下げてもらったあいつは私の方へ来て目で"早く来い"と命令してきた。




はいはいどうせ帰り道もわかりませんよー


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