森のクマ野郎

どこぞの殿様だ

わかったこと、
あいつは漫画の中で言うところの悪の帝王だ。自分に逆らう者は許せない、自分以外はゴミかおもちゃか奴隷、自分至上主義の最悪最低野郎。



「俺は風呂に入る、」

「はいはいそうですか!」

わざわざそんな情報いらない!こっちはおでこが痛くて痛くて仕方ないんだから!


「何言ってんだ、お前も来い。」

「は?は?は?それはギャグ?ガチ?私があんたとお風呂に入れって言いたいんですか?」

「…………なんだ庶民は体を自分で洗うのか。」

「え!?それ本気なの!?あんた昔のお殿様か何か!?」

「まったく庶民とはめんどくさい生き者だなまったく。」


嘘だ嘘だ嘘だ!
こんなことってありえるの!?







「おい、ちなみに1人で背中を洗うにはどうすればいいんだ?」

「あ~それはね、なんかこう両手でタオルを持ってこうやってごしごしってするんです。」

「なるほどな。」

「………」


私は部屋に備えつけられたシャワールームに消えて行ったあのバカが心配に思えて来た。
17歳にしてはじめての1人お風呂…まさか湯舟で溺れるんじゃ!?


てかあいつは今までメイドさんに体を洗ってもらってたの!?
恥ずかしくないのかあいつもメイドさんも!


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