王龍2
あたしは通話の切れた携帯を閉じ
それをソファに放り投げ
自分の部屋に入った
部屋は電気も点いていないのに
少しだけ明るかった
その光の元は
窓の外に輝く満月
カタンッ
あたしはその灯りを頼りに
引き出しの中からある物を探す
シャラッ
「あった・・・」
それは金の龍を
モチーフとしたネックレス
これは証だ。
洋さんにも
「これを着けるなら覚悟を決めろ。
これに見合うそれ相応の覚悟をな」
と幾度となく言われ続けた
だから今までは
着けなかった
ただもう少し
もう少しだけ”今”を
感じていたかった
けれど・・・・・