エージェント




「ーーー泣いてないけど、俺」




眉を八の字にし、困ったような表情。




「コウキは魔性の女だ」






近づくために今までやってきたのに、

わたしは後戻り出来ないくらいに、

近づいてはいけない方に近づきつつある。




本城朔羅も、本城宝も、

一体何を恐れているんだろう。








わたしの存在がわからなくなる。





< 104 / 297 >

この作品をシェア

pagetop