エージェント



「いい加減にしろっ!」


さすがにしびれを切らしたので、思いっきり腕を解く。



「関係ないことに巻き込まないでくれる!?」

「…………」

「な、何よ…」

「あ〜いや、うん。ごめんね」

「ごめんで済むなら警察はいらないし」

「まぁそうだよね〜うん。急にごめんね」

「だーかーらー」

「俺にそんな口聞く女の子、初めてだ」

「はぁ?」



怒りというよりも、呆れた。

東へ来て早々、厄介ごとに巻き込まれた。





「たぶんもう君には迷惑かからないと思うから、ほんとごめん!」



お辞儀しながら手を合わせて謝ってくる、変わった男。




「あ、もし本当の彼女になりたいならいいけど?」



明らかに年下、明らかに遊んでそうな男。

絡まれたら面倒な奴。



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