私と先生の365






図書館の人に招かれるまま、着いた先は、広い個室。


だけど沢山の棚に囲まれ、真ん中に机がひとつ置いてあるその広いはずの部屋は、狭く感じてしまう。



この棚の中に何十年もの前の新聞が綺麗に保管されていて、必要であれば取り出して調べ物などに使えるんだとか。




図書館の人は一通り部屋の説明を終えると「では、失礼します」と言って部屋を出て行った。



南:「はぁ!凄いねぇ〜!」

花:「あまりの量に、ちょっとやる気が起きなくなるね…。」

「…もう5回分で十分じゃない?」


南:「……じゃあ、後1年分でいっか…。せっかくここ教えてもらったしさ。」


花:「そうだね。」


「…じゃあ。…えっと6年前はっと…。」


棚の前に立ち、南と探し始める。


南:「あ!見て、奈緒のお父さん写ってるよ!」


「え!?」


南が手にした新聞の見出しに、[緒方会社世界に進出]と書かれていて、その新聞を見る。


何か見たことある。


花も、気になったのか後ろにやってくる。


花:「へぇ、奈緒パパ凄いねぇ。トップに乗るなんて。」


そういえば、お父さん…この新聞見せて何か言ってたっけ。





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