くもりのち晴れ時々大雨
入院当日かかりつけの医院まで車で送ってくれた母に
電話で発症のことを告げた。


『何であの子がこんなことに・・・』
母の声を聞いたとたんピーンと張り詰めていた糸が
切れた。

『しょうがないわ・・・』涙がでてそれ以上は話せなかった。


すぐに娘のところに戻らないといけないのに。
泣いてしまったよ・・・

そんな時も私はひとりだった。
となりに誰もいてくれなかったよ。



旦那にはメールで知らせた。
私以外の人が
この何週間かの娘の様子や
私の不安や苦しみを
何もしらずにいる人が
私の前でめそめそと泣くことが
たまらなく嫌だった。

義父母に話す気になれなくて彼から話してもらった。


事務的な手続きがいくつかあり
ばたばたすごしているうちに
自然に娘の病気をうけいれていった。



その後何日かたって義母から電話がかかってきた
主治医と病室で話しをしているとき
しつこく携帯がなった。

先生の前でとるわけにはいかず無視していたら
旦那の実家からだった。

気が重いな。
電話するの・・・

彼女はきっと泣くだろうな。
母はいつでもプラスオーラをくれて
癒されて元気になるけれど
彼女はなぜかいつも私から元気をすいとってしまう。
マイナスなオーラを感じてしまうのよね。

『こんなことになってねえ・・・ぐすっ』

やっぱり・・

『大丈夫ですよ。元気ですから。そんなに気に病まないで毎日楽しく
元気に過ごしていてくだいよ。』



泣きたいのはこっちのほうじゃあないか。


『とにかくあなたたちがしっかりしてがんばっていかなくちゃね。』


もう十分がんばってるよ!
これ以上どうがんばるのさ。しっかりしてるよ!
少なくとも私は。


何だか逆にこっちが励まして電話をおいた。


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