愛しい人へ




掲示板の前にはたっくさんの人があふれていた。



「ドキドキする~」


雅人は俺をひっぱって張り切って進んでいく。



俺は内心 ドキドキしていた。



クラスが同じなのも辛い。

でも違うのも嫌だった。







クラス表を前にして、なぜか梨絵の名前を探してしまう。



「うわっ!俺、拓海と同じクラスじゃねーし。
 拓海、何組だったー?」




俺は梨絵の名前を見つけた。

そのクラスに俺の名前はなかった。




「なー拓海っ!」



「ん?ああごめん。まだ見つけてない」



「なにしてんだよー」




俺は急いで自分の名前を探した。



俺は1組だった。

雅人とも梨絵とも違ったし、遠かった。

でも今年もタケが同じだった。





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