君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「隠してること?…たとえば?」

「ダメ!全然ダメ!」

「なんだよ!」

「あたしは!…きょーちゃんのこと、何でも知りたいの!どんなことでも、知っておきたい!」

「だから、何のことだっつーの。」

「知ってるんだから…下駄箱の…手紙…」

「あ。…でも、それは、…相手のことで、俺だけのことじゃねーし。」

「!」

「だけど俺は、」

「でも、嫌なの!」


正当なことを言う恭一と比べ
身勝手なことを言っている自分を恥ずかしく思った私は、背を向け、歩き出した。

すると、

「そんなの、お互い様だろ!」

恭一が叫んだ。

その声に反応して犬が吠えだし、
近所の手前、気を使った私は、足を止めた。


「お前だって!」

「…あたしが何?」

「…そんなの…俺だって嫌な想いしたことあるよ。」

「何?聞こえない!」


恭一は、ゆっくりと近づくと、目をそらして言った。

「その時に言ってくれよ。」

「そんなの言えないよ。」

「だから、こんな事になるんだろ。」

「だって…」

「もう、ダメかと思ったんだ!完全に嫌われたって…なのにクラスが一緒だろ…たまんねーよ。」

「だって、確かめるのが恐かったんだもん!もし、きょーちゃんが、その手紙の子と…」
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