君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
第四章 きみの影

追憶

大学受験を絞りつつある頃、
恭一の三回忌が執り行われた。


恭一との思い出に浸っていた私は、
隆志とふたりで、海岸まで足を運んだ。


昨日の雨が、嘘のように晴れたその夜は、
めずらしく、星がよく見えた。


「見て〜!星がいっぱい〜!」

「…ずいぶん乙女チックなこと言うな〜。どうした?」

「じゃあ、さらに付け加えて…どれがきょーちゃんだろう?」

「キモッ。」

「ちょっとはノッてくれても良いじゃん!」

「じゃあ…どれでもありまっせーん!なぜなら、君の心の中にいるからさ!」

「…キモい〜!」

「ていうか、一周忌に比べると、今日は和やかだったなぁ。」

「ホント。雨もあがって…きょーちゃんのしわざかな?」

「はは。ホラ、星になってねーよ、やっぱ。」

「…隆志だって、同じでしょ。」

「…」

二人はしばらく黙っていた。


「お前さ〜、これから先、恋とかできそう?」

突然、
暗がりで、全くもって見通しの悪い、水平線を見つめたまま、
隆志は尋ねてきた。

「…できるかな〜?」

「へー、するつもりなんだ?」

「でも、ず〜っと先になるだろうな〜。」

「…できなかったら?」

一度もこっちを向かない、隆志の横顔を見ながら

「どうしよっかな〜。」と答える。


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