君の影をみてる〜幼なじみの恋〜

消せない影

そんなある日、

サーファー仲間やその友達と、なんかのパーティーがあるとかで、
私も、慶太に連れられ訪れた。


それなのに、友達と大声で笑って騒ぎ、

私をほったらかしにしている慶太を横目に、
隅のテーブルに腰掛けた。


「あれ〜、やっぱりそうだ〜。」


ドタドタと走り寄ってきたその女性は、私の横にドカッと座った。

「なに、結局ケーくんとつきあったの!?」


慶太の友達の彼女で、クラスまで探しに来てくれた、しゃべり方が苦手な、あの娘だ。


「つきあってないの!そう言うんじゃないから!」

私はとっさに言い訳をした。

「えー、じゃあ、何でここに来たの?」

それにしても、この娘の声は、かん高くて良く通る。

「まあ、いろいろあって」

「へ〜、ケー君て押しが強いんだ〜。」

この声に、まわりはジロジロとこっちを見た。

「ホント、そんなんじゃないんだってば。」

だいたい私は、まだ、この娘の名前もクラスも知らなかった。

「恩田さん、気を付けて!」

急に小声で、顔を近付けてきた彼女は言った。

「ケー君、結構モテるからさ!この中に元カノとか、今まさに狙ってる人とか居たりして!ナンチャッテね〜。」

(散々自分が、デカイ声でしゃべりまくってたくせして!)

不慣れな場所での緊張のうえに、さらに疲れがのしかかった。
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